17.5
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いくら啄むような軽いキスと言っても、十八才の新には十分刺激が強い。ついさっき「焦って先に進みたくなるキスではなく、言葉以外で好きと伝えるようなキス」もいいなと言ったばかりなのに、と新は軽い自己嫌悪に陥りそうになる。 「……新?」 新の顔から笑みが消えた事に気付いた千早が訝しそうに目を覗き込んでくる。 「ごめん。さっきあんな事言うたばっかやのに、……ち、千早と……したくなってもた」 顔から火が出そうなほど熱い。 「……え?」 突然新の唇が柔らかく塞がれた。一拍遅れて、千早が答える代わりに両手で新の顔を挟みこみ、唇を重ねてきたのだと分かる。 新がそのキスに応じると、千早は顔から離した手を新の肩にそっと置く。口付けが深くなるにつれ、自分だけでなく千早の身体からも熱を感じ取り、それがますます新を逸らせた。 「……っ、……んっ……」 片手を伸ばして千早の長い髪の間に指を通して近くに引き寄せる。キスを解かないまま、彼女の髪の間を指先で辿っていくと、親指が千早の耳朶に触れた。 「……っ……!」 合わさった唇の隙間から、くぐもった声が漏れて新の鼓膜を打ち、それだけでも頭の中が蒸発しそうなくらい熱くなる。唇を離した新が、ばっと手を伸ばして千早のチュニックの裾を掴んで、服を裏返す勢いで頭から引き抜くと、恥ずかしそうに笑いながら千早は両腕に絡まった服地を軽く腕を振って床に落とした。 千早が対抗するようにさっき着替えたばかりの新のTシャツをたくし上げ、同じように頭から引き抜く。掛けていた眼鏡がその弾みで外れて畳の上に落ちた。 「あっ、ごめん!」 「いや、いいけど……どこ落ちたんやろ?」 急に眼鏡を外された新は目を顰めても床の上がよく分からないらしい。千早は素早く眼鏡を拾い上げ新の顔にそっと掛けた。 「ありがとう。……ああ、やっとまともに見えるわ」 「新って、起きてる時に眼鏡外す時ってあるの?」 裸の肩や首筋にそっと指先を滑らせながら千早は聞いてみた。 「……っ、風呂と、顔洗う時だけや」 千早の指が滑るたびに鼓動が速くなる。息を詰めながら新は答え、お返しとばかりに片方の耳を優しく噛んだ。 「んっ、……そこ、やだ……」 「……ほうか? ……おれは嫌でないざ。……千早、可愛らしい声出すし」 わざと耳元に唇を付けたまま、新は言葉を返す。吐く息が耳をくすぐる度に千早の身体がぴくんと跳ねた。お互い床に座ったままで少し窮屈だが、新はそのまま頭を下げて千早の首筋に、鎖骨の窪みに、そしてブラに包まれた柔らかな胸元にいくつもキスを落とす。 「ゃ……ぁ……」 新の唇が触れるたび、千早は恥じらいながらも素直な反応を新に見せてくれる。背中に回した手でどうにかブラのホックを外すと、外気に触れた白い胸が一瞬そそけだつのが彼の目に飛び込んできた。手のひらでそっと包み込むと、安心したかのように滑らかで弾力に富んだ、新にとって不思議だが魅力的な柔らかさを取り戻す。 「……っ、あ……、んぅ……」 いくつもいくつもキスを落としていくと新の手の中で、柔らかな胸の一点が少しずつ自己主張を始める。つんと尖ったそこを手のひらでそっと擦ってみると、肩に回された千早の指にくっと力がこもった。 空いている方の手で千早の履いているタイトジーンズの前ボタンを慌ただしく外して押し下げる。千早には似合っているが、そのぴったりしたジーンズが脱げる拍子にその下のショーツが巻き込まれて一緒に下がり、千早の腰から腿までが一度に露わになった。 「ごめん、なんかおれ今日、我慢がきかん……」 細いウエストから女性らしい曲線を描く腰のライン、そしてその下にちらりと見える叢が目に入った途端、それまで辛うじて残していたつもりの自制心があっさり吹き飛んでしまい、新は口ごもる。 「……いい、よ。……新」 顔を真っ赤に染めて千早が口を開く。新の肩に片手を残してバランスを取り、中途半端に下がった服を脚から抜き去った。 「千早……」 もの凄く恥ずかしかっただろうというのは、肩に置かれた震える手が痛いほど伝えてきている。それを抑えてこうしてくれるのが他でもない自分だけの為だという、その気持ちが何より新には嬉しい。ばたばたと救急箱の底に隠してあるコンドームを探り出し、自身も着ている物を全て脱いだ。 「あ、忘れとった」 音高く押し入れを開き、一番上に積んである掛け布団を引っ張り出して床に放り出す。いい加減に広がっただけの掛け布団の上に千早の手を取って横にならせると、新は自分の身体で千早を隠すようにその上に覆い被さった。 「……背中、平気か?」 前にこの部屋で千早を抱いた時は畳の上だったせいで彼女の背中に赤い痕を付けてしまった。だから「次は布団を敷くから」と言ってはいたのだが、新自身そんなに早くその機会が訪れるとまでは思っていなかった。 「うん……大丈夫」 新の重みを喜ぶように千早が両脇に腕を差し込んで抱きついてきた。頭の中が千早で一杯になり、新は片手を伸ばして彼女の入口を指先で探り当てる。 「……っは……ぁ、んっ……」 指先にぬめりを感じ取ると、千早の唇から艶めかしい声が漏れる。新は肘と両膝で自分の体重を支えると、堪え性のない自身を狭い入口にあてがって、そのまま身体を沈めていく。少し抵抗を感じるが、千早の呼吸とともに新の熱は奥へ奥へと進み、やがて千早の中をみっちり満たした。 「んっ……、ぁ……、あら、た……」 千早の手が縋るものを探すように差し伸べられている。新は自分の指を絡めてしっかりその手を握り、腰を送り始めた。 「や、んっ、……っ、あ……新、あらた……っ」 「……っ、ヤバ……っ」 余裕がなくてすぐに一つになったせいか、いつもより千早の中がきつい。 「ごめん、千早……っ、おれ、そんな保たん……」 目が眩みそうな程必死に堪えながら、新は正直に告げた。 「いい……新の、思う通りで。私だって……余裕、ないし……っ」 自分の中に新が居て、それだけでも頭がどうにかなりそうなのに、不規則にぴくんと新のものが跳ねるだけで千早の意識は一気に引きずられてしまう。荒い息をつく合間にどうにかそう告げると、自分を抱いている新の腕にぐっと力が入った。 「……煽るなや……っ、あかん、マジで……」 千早の中を行き来する新がいきなりその嵩を増し、千早の目が大きく見開かれる。 「やっ……も、ダメ……っ!」 千早が大きく背中を反らして震える中、新もその細い身体にしがみついてしたたかに放った。 |