Something Four 4
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「う……どうしよう……」 突然千早の声が困惑したトーンに変わる。 「どうしようって、何が」 「……その、私の服とか、……下着とか……」 それで新も見当が付いた。千早自身も思ってもみなかった達し方のせいで、服や下着が濡れたままになっているのだろう。 「洗濯しとくか? ドライヤーでも使えばすぐ乾くやろし、下はおれのジーンズ履いてっていいしさ」 千早は遠慮するが、その服で帰れる訳がないと新に言われてようやく頷く。 「……でも、今脱ぐの? ここで……。ちょっと、恥ずかしいんだけど……。下だけって」 もごもごと返してくる千早に笑いかけて新は自分が着ているものを脱いでみせた。 「全部脱げば同じ事やろ?」 勝手な事を言いながら、千早のカットソーをたくし上げて首から抜き取る。そのままブラを外し、洗濯しなければいけないキュロットパンツとショーツも剥ぎ取るように脱がせてしまった。 「今のうちに回しとこ」 自分と千早が着ていた服を全部まとめて洗濯機に放り込んで、さっさとスイッチを押した。 「新って、そんな問答無用、って所あったっけ……?」 かるたを除けば基本的に照れ屋な面を多く目にする千早は首を傾げる。 「ん? さっき千早、なんも隠さんと、聞かせてくれたやろ? そのお返し……って言うか、お礼かの」 そう返しながら布団の上に腰を下ろすと、千早はその側に横座りになった。 「何かおかしくない? お礼とか。って言うか不公平」 千早は少し膨れっ面になる。 「新ばっかり聞くとかさ」 「……別に、おれの声ぐらい構わんざ? 聞いたかって」 新の答えに千早は思わず目を瞠る。さっきといい、今といい、まさかそこまで言ってくるとは、と驚いた。 「ちょっと意外……。理由、聞いていい?」 ふっと笑いながら新は口を開く。 「する前に言うたやろ? 初夜って。……まあ個人的な結婚観かも知れんけど、隠し事とか、変な見栄張るとか無しやって思うんや」 もっとも、最初話題に上った「子供の誕生日」といったサプライズは別だ、と言葉を継いだ。 「そっか……そうだよね。うん、私も賛成かな」 言いながら千早は身体を捻って新に抱きつく。弾みで新の身体は布団の上に仰向けになったが、そのまま千早のキスを受け入れた。 「ん……あらた……」 キスの合間に千早が名を呼んでくる。どうした、と短く返すとふっくらした唇が耳元に寄せられた。 「新も、これ……感じるのかな……」 「……試して、みればいいざ?」 吐息にくすぐられ、新の言葉も詰まり気味になる。そこに千早の柔らかい舌が差し入れられて、自分がしたのと同じに軽く吸われる。 「っあ……。おれも、感じる……それ」 ぞくりとした感覚が駆け抜け、身体が跳ねる。そうなんだ、という千早の呟きさえ新を燃えたたせていく。熱く濡れた舌が首筋に這わされた。 「……千早……っ」 普段と違って切なそうな声が新の口をついて出る。その声が千早にも火を点けた。 もっと触れたい、と千早は指先で新の胸板や脇腹、引き締まった腹筋を撫でていく。 「あ……っ、ちはや、……触っ、て……おれ、の……」 喘ぐような息を吐き、肩を彷徨う大きな手の平が嬉しくて、新の耳を優しく噛みながら千早は指先をそこへ滑らせた。 「気持ち、いい?」 耳を咬んだまま囁いてみると、息を詰めた身体がびくんと動く。 「いい……千早、すごく、いい……」 その答えに気を良くして、新に這わせていた指で零れた露を掬い、熱くはち切れそうな先端に塗り広げてみた。 「……っ、う……あっ! ……千、早……っ」 「こう……?」 上半身が新の上に乗ったままだから、普段とは逆の動きになる指を新の幹に指を回して、ゆっくり動かす。後から後から零れている露で指はスムーズに滑っていく。 「っく……、いい、それ……」 彷徨っていた新の手が千早の背中に回り、ぎゅっと爪を立てるように下りてゆく。少しバランスが崩れ、熱に触れていた自分の手の平が新の先端を撫で下ろした。 「……っ?! 何や、今の……、千早、何……っ」 切なげなのに戸惑った声が千早の鼓膜を震わせる。 「何って……多分、こう……したと思うんだけど……」 仰向けになったまま首を持ち上げて問う新に、自分自身も偶然そうなったせいで少し曖昧だったが、触れた時の感覚を頼りにもう一度同じように手の平で、「いい子いい子」のようにそこを撫でた。 「……っ! お、れ……、頭、どうか、なりそうや……!」 今まで知らなかった強烈な感覚を新自身どうしていいか分からず、千早に縋るように抱きついた。自分の露を潤滑剤にして千早の手が優しく撫でてくるたび、新の口から熱く震える息が漏れて腰が大きく跳ねる。 「千、早……っ、ちはや……、っあ、千早、中で……いかせ、てや……っ」 自分が何を口走っているかさえ、もう新にも分からない。千早にしがみついていなければ、あっさり果ててしまいそうだった。 「……」 そう言われて千早は少し考える。新の言葉を叶えてあげたいとも思うが、絶対にゴムを着けなければいけない日で、装着に手間取ると水位を下げてしまう。そこから再びボルテージを上げていくのも、新が気の毒に思えた。 「こっちで、いって?」 言うなり千早は身体をずらして新を深く飲み込んで顔を動かす。浅く含んでいる時に、さっき新がすごく鋭敏な反応を見せた時のように舌先でそこを舐めてみるが、新の反応はさっきより少し小さい。 「千早……、もう、保たん、そろそろや……っ」 さっきの方がやはり感じるらしい、と千早は一度顔を離し、唾液で濡れたそこをまた手の平で柔らかく撫でながら、横から挟むように唇と舌を手と同じに動かしてみた。 「う、あ……っ! そ、んな、いっぺんにしたら、……っ、ダメや、もう……っ!」 堪えようとしてか何度もあちこちに振っている新の顔から、いつも掛けている眼鏡がずれているのが見え、千早は空いている方の手を伸ばして眼鏡を外し、自分の身体の脇に置く。それからまた顔を伏せると、新の手がそこを撫でている千早の手に重ねられ、さっき唇で挟んでいた辺りへと導いてくれた。 「……っ、千早、も、っと、千早、ちはや……!」 求められるまま、握った手を大きく、早く動かしていくと新のそこがますます熱く、硬く張り詰めて限界が近いことを伝える。手を動かしながら先端をまた口で含んだ時、新の全身にぐっと力が入った。 「っあ……! いく、千早っ、……お、願いや、ちはや……っ、受け止め、て……! っく、千早、おれ、千早……っ」 そこまで言うのが限界だったのか、さっき千早を導いた手がきつく握られる。 「……おれ、もう……っ! 千早っ、いく……っ! ……、……っ! ちは、や……っ!」 放つ音さえ聞こえてきそうな勢いで口の中に新が飛沫く。何度も迸り出たその熱を千早は全て受け止め、小さく喉を鳴らしてそのまま飲み下した。 「……はっ、はぁっ……、……あ……」 全身が汗で濡れ、脱力しきった新はまだ荒い息を吐いている。顔の汗を拭おうとして片手を上げた時、やっと違和感に気付いた。 「あれ、眼鏡……、どこいった……?」 「あ、ごめん。外れかかってたから横に置いたんだ。……はい」 千早がそっと眼鏡を掛けてくれる。指先でフレームの位置を直すとようやく千早の顔にピントが合った。 「ありがとう。……ほやけど、何でお預けやったんや? 千早」 さっき中で、と言ったのを叶えてくれなかったのは何故かと聞かれ、千早は新に寄り添いながら口を開く。 「……今日、危ない日だから。アレ着けないと、って思ったけど……着けてる間に新がテンション下がったら悪いなあと思って」 「テンション、は何とも言えんけど。着けなあかん、ってとこは千早が正しいな」 それならお預けでもいい、と新は小さく笑った。 「ありがと、分かってくれて。でもね?」 「……でも?」 その耳元に顔を寄せ、そっと囁く。 「するなら、私も……されたかったから。新に」 |