POSSLQ
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「ね……え、新……」 熱い吐息の合間に千早が名を呼んでくる。 「ん、何?」 新は少しだけ耳元から距離を取って聞き返した。 「……手、ずっと……繋いだまま……って、無理……?」 「入れる時も、って意味か? ……出来ん事もないやろけど……」 ゴムの装着や体位を変える時に一旦手を離してなら今までもしていたが、その間も手を繋いだままというのは試した事がない。 「千早が手伝ってくれるんなら、大丈夫なんでないかって気はする」 少し考えてから、そう言葉を返すと千早が鸚鵡返しに聞いてくる。 「ゴム着ける時に押さえるか被せるかするとか……、脚開くのとか……」 一度息を全部吐ききって、それと、と新は続きを口にした。 「……自分の指で開いといてくれるとか。千早の、───。入れる時」 自分でも滅多に使わない四文字で告げる。 「っ、えっと……あの……」 言われた千早は真っ赤になって、さっきより強い熱が肌に伝わった。 「い、言ったの、わ……私、だから……て、つだ、う……」 つっかえつっかえの、蚊の鳴くような声がしばらく後に耳に届く。 「繋ぐの、おれ左でもいいか?」 「うん……」 さすがに片手では本棚の奥を探れない。一度上体を起こして箱の中にある個包装をいくつかバラして、予め枕元に置いた。 「千早も、しっかり繋いどいて?」 そう言葉を掛けると、頷いた千早が新の左手を探り当てて指を絡ませてくれる。新は慎重に身体を倒し、右肘で体重を支えた。これなら千早に全体重を預けなくていい。安堵の息を吐き、新は口付けた。 「……ぁ、ふ、っぁ……。はぁ……っ」 千早がすぐにキスに応じて、くぐもった甘い声が鼓膜を打つ。 (けど……おれ両手とも塞がってまうんやなあ……難易度めっちゃ高い……) 流れの中で後は考える事にして、唇をさらに深く合わせた。 「ん……んっ、……あぁ……、は……ぅん」 時折もじもじと千早の下肢が動いているのが分かる。抱きつこうと思ったのか繋いだ手が一度持ち上がり、思い出したように布団の上にまた落ちる。 「……は、っ……千早……」 唇を離して名を呼ぶと千早が繋いでいる手にまた力がこもり、そんな可愛らしい反応をもっと見たくなる。窮屈な体勢のまま右の肘で自分の身体を押し下げ、新は頭を柔らかな胸に辿り着かせた。 両手が使えない新は舌だけを千早の肌に這わせて、つんと尖った乳首を探り当てて、ねっとりと転がす。 「やぁ……っ、新ぁっ、あぁんっ!」 いつもと違う、と千早の唇から途切れがちな声がこぼれ落ちた。 「ん?」 両手が塞がっているからと、わざと胸から口を離さず新は答えた。その振動なのか息なのかは分からないが、千早の背がぐんと仰け反る。 「……ん……」 意識した訳ではないが、新が再び千早の胸に顔を埋めようとした時に小さな声が出た。 「っあ、あらた……」 悩ましげに紡がれる自分の名。燃え上がった新はキスを千早の胸から徐々に押し下げる。 「……」 千早が一番感じやすいそこを唇で愛撫したいと思うのに、両脚を閉じられたままでは新は何もできない。 「足、開いて……?」 千早が一瞬、身体に力を入れている。 「……う、ん……」 頬を染めて恥じらいながら膝を曲げ、ゆっくりとその長い脚を開いていく。 (何か……エロいのに、すげえ可愛い……) 千早の姿は震い付きたくなる程の魅力を新に投げ掛けていた。 千早が作ってくれたその隙間に新は自分の顔を差し入れて、もう少し大きく開脚させると舌先で千早を割り広げた。 「んっ、……あ、あぁ……新、いい……」 自分の意志でそこを新の視線に晒したせいか、ちゃんと目を覚ましているのに千早が紡ぐ言葉に矛盾がない。 「……千早……」 呟くだけでも細い腰がひくんと持ち上がる。新は唇へのキスと同じように可憐なそこへ口付け、汲めども尽きぬ泉のような蜜を味わう。 「っふぁ……んっ、あん……っ、新ぁ……」 「感じる?」 「っあ、……すご、く……感、じて……熱い。新が、熱い……」 乱れる息を吐きながら、新の短い問いに千早が答えを返してきた。それが愛らしくて寄せた唇で敏感な粒を吸い上げた。 「っあ?! 吸っちゃダメぇっ! 新……っ、それ、感じすぎるから……っ! んっ、ああっ!」 身を捩った時に繋いだ手が解けそうになり、新はそこへの愛撫をやめて右腕の反動で身体を起こし、千早に声を掛ける。 「千早。ひとつに、なろ?」 息が荒いまま、千早が少し顔を上げて新を見た。 「うん」 「さっき言ったけど……手伝ってくれるか?」 頷いた千早は、新が言う通りに枕元の個包装を指先で探って手渡してくれ、新は右手に持ったそれの封を歯で開ける。 「袋、持ってて。取り出すで」 左手で千早がコンドームの袋を支えてくれ、新は中身を取り出して先端を摘んだ。 「……おれ、先の方に当てとくで、千早……途中まで被せて」 片手では自身を支えられない。それに千早に押し当ててもらうよりは新の手で押さえておく方が、自分の身体だけに分かりやすい。そう答えると千早の細い指は新に伸びてラテックスをゆっくり被せてくれた。途中でそれを引き取って、新は根元まできちんと覆う。 「途中で体位変えるの無理やから。右脚、おれの腕に掛けて……開いて?」 「……っ、……う、ん」 脚が長い千早には窮屈なのか新の上体を足で押し戻す形で、千早は顔を真っ赤にしながら新の身体が置けるように大きく両脚を開いた。 「新……あの、ひ、必要なの? ……私が、自分の手で、開く……って」 消え入りそうに問うてくる。 「痛い思い、させとないし。巻き込んだりとか」 それだけ答えて新は自分の熱を押し当てる。おずおずと千早の左手が下りてきて、その熱をスムーズに受け入れようと一番恥ずかしいそこを指先で開いてくれ、ほんの少しだけ進入させた。 「……ありがとう」 千早が恥じらいながら自分の手で開いた入口が、新を飲み込んでいる眺めは物凄くエロティックで猛ってしまうが、その健気な姿に新の胸は痛いほど震えて涙さえ零しそうだ。 「全部、入れてくざ?」 その矛盾を抱えたまま、猛った自分を千早の中に全部収めて身体を倒す。 |