No Regret in Tokyo 3
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「千早、一応……今のうちに言うとくわ。やめるんやったら、今のうちやざ? ……おれきっと、歯止め利かんと思うし」 千早が顔を上げて新を見る。何故か泣き出しそうな表情にも見えて、新は困惑してしまった。 「分かってる。……で、でも……自分で、決めた……から」 「なら、もう聞かんでの」 両腕で千早をまた強く抱くと、ボディソープの匂いがふわ、と新の鼻をくすぐった。 「千早。好きや」 さっきの約束通り、新は千早への気持ちをきっぱりとした口調で告げる。抱き締められている千早が身じろいで目線を合わせてきた。 「私も……」 そう答えてそっと瞳を閉じた。新はゆっくりと千早の形の良い唇を自分の唇で塞ぐ。三度目ともなれば慣れるかと思ったが、唇の柔らかさはあっさりと新に火を付けてしまった。 抱擁をきつくしながら、新は舌を千早の口へと送り、白く粒の揃った歯列をなぞり、戸惑っている千早の舌を自分の舌で絡め取る。 「……んっ、……んぅ、っ、ぁ……」 艶めかしい声が新の耳をくすぐっていく。新は自分の腕で千早を支えながら、ベッドの上にそっと千早を仰向けにさせ、その上に覆い被さって口付けを再開させた。 (どうしよう……凄く、ドキドキして……身体が、熱いよ……新……) 覆い被さっている新の身体もひどく熱い。そっと腕を伸ばして広い肩に添わせると、新の肩がぴくんと動き、弾みで重ねていた唇が離れる。 「……あ……」 恥ずかしい筈なのに、キスが解けた千早の唇から漏れたのは、勿体なさそうな響きを帯びた声で、千早は自分自身のその変化に驚いていると新がもっと深く上体を密着させてきた。 「千早……」 耳慣れない少し掠れた声が千早の鼓膜を震わせると、胸の奥に切ないような疼きが生まれる。 「……っ、あ……んっ」 (……やだ、どうしよう……?! こ、んな声……) 「千早、気にせんでもいいで。……おれ、おれなんかの、こんな下手なんでも、千早が……感じてくれてるって思うと、嬉しいんや」 耳元をくすぐる低い声が千早の緊張を解していく。そのまま耳にもキスをされると、千早の身体に電気が流れたような感覚が走った。 「あっ、……っ、な、んか……、身体、勝手に……動いちゃう、よ……」 「……いいんや。そういう千早も……好きやし」 新の唇が耳朶や首筋にいくつもキスを落としてくる。その度に千早の身体はぴくんと跳ねて、どう感じているかを言葉以上の雄弁さで新に返事をしているようだった。 唇でなぞる度に千早の息が熱くなっていくのを新は肌で感じ取る。その熱は新の身体をさらに熱くして先に進みたいという欲を強くもたらした。片手をずらし、さっきのように浴衣の上から千早の胸にそっと触れてみる。 「……あ、んっ……」 甘い声を上げるのはさっきと同じだが、手の平に伝わる感触は買い物に行く前よりずっと柔らかい。 (……もしかして、下……なんも付けて、えん?) 浴衣の襟に指をかける。心臓の鼓動がそのまま指先に伝わっているかのように震えてうまく動かない気がするが、喉仏を大きく上下させ、思い切って襟の合わせをぐっと左右に開いた。 「……やぁ……恥ずかしい、から……」 弱い抗議の声が鼓膜を打つが、浴衣地からこぼれ出た白く柔らかそうな胸元に新の意識は釘付けになっている。 「すごい、綺麗や……」 無意識に呟いたらしく、目の前で千早がそれこそ胸元まで真っ赤になっていた。そっと包み込むように触れてみると、思った通りの柔らかさが手の平に伝わって、新の頭の中を焦がしていく。 身体を少しずらして新は唇を胸元へと寄せていった。初めての行為だけに、もしかしたら無様な事になるかも知れないと思っていたが、目の前の眺めにそんな懸念すらどこかへ消え失せ、心の底からひたすら千早だけを求める。新の手が柔らかく盛り上がった胸を恐る恐る揉んでいくと、その頂点にある可憐な桃色が徐々につん、と上を向く。吸い寄せられるように新はそこへ唇を這わせた。 「……あ、……やぁ、新ぁ……」 普段と違う、甘えているような、それでいて艶めかしい千早の声が頭上から届く。新は片手を下ろして浴衣の帯をぐっと引っ張り、千早の背中から引き抜いて床に放り投げた。大きく開いた身頃から、自分より一回り以上細いウエストと、そこからなだらかなカーブを描く腰、ショーツに遮られているがその下にすらりと伸びた長い脚が覗く。 「千早、千早……っ」 もはや新には「好き」と告げるだけの余裕はない。胸元に何度もキスを落としながら一度腰を浮かせて履いていたジーンズを脱ぎ捨て、再び白く華奢な身体をきつく抱いた。 「……っ、はぁ……っ、んっ……」 千早の方も既に新に言葉をねだるような余裕は消え失せている。唇や指先だけでなく、新の熱い息が肌を撫でるだけでも身体の奥から今まで感じた事のない熱がどんどんわき上がってきて、千早を新しく作り替えていくようだった。 「っふ、ぁ、あら、た……ぁ」 再び胸の先端に舌を這わされ、千早の背中がぐっと反る。自分の中にこんな己が隠れていたのかと千早自身驚きも感じたが、同時にそんな自分をも新に受け入れて欲しいと思ってもいた。 (……なんか、凄く……熱い。新の、熱が……触れてて。……自分が、バターになったみたい……) ジーンズを脱いだ新が身体を密着させた時、腰のあたりに触れた一際熱い箇所を肌で感じた千早はそんな事を切れ切れに思う。新の背中に腕を回したくて両手を動かすが、浴衣の袖が邪魔になって抱きつけない。 「……脱がせてもて、いい?」 千早が藻掻いたのを見たのか、新が問うてくる。それに頷くと、新は素早く千早の片腕を袖から抜き、反対側から身頃を引っ張って千早の両腕を自由にした。今度こそ千早の両腕は新の背中にしっかりと回される。 浴衣を脱がせたことで、新と千早の密着を阻むものはお互いがまだ履いたままの下着だけになる。千早の白い腕が背中にきつく回され、新の感情は愛おしさと情動の間をせわしなく行き来する。なるべく千早を驚かさないようそっと下着の中に指を滑り込ませると、自分のそれより柔らかな茂みが指の腹をくすぐった。 (……う、わ……) さらに指を深く差し入れると指先が熱いぬめりに辿り着き、千早の全身がびくんと反応した。そこを何重にも守っている襞を優しく開き、狭い入り口を探し当てた新は不安に襲われてしまう。 (……大丈夫、なんやろか……こんな、狭いのに……) 「ち、千早……ほんとに、いい……んか? 痛いかも、知らんし……」 どう聞いていいのかさえ分からず、心に浮かんだままを尋ねた。 「……う、ん」 耳まで赤く染めたまま、千早はそれでもはっきりと頷いて見せ、新の気持ちも一気に定まる。千早の下着を脱がせて自分も裸になると、さっき買ってきたパッケージを乱暴に開けた。 |