No Regret --Nothing to hide-- 7
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千早の身体をそっと仰向けに戻して、新は奪うように口付けた。さっき一度達したからなのか、千早の身体は早くも悩ましげに動き出している。新の指が耳を撫で、首筋を伝って胸元まで降りていく。 「あ……あぁ……っ、ん……ぅっ……」 「……気持ち、いい?」 ここまでの行為で知った、敏感な耳元で問い掛ける。 「うん……、すごく、いい……」 普段耳にする千早の声と比べると、少し舌足らずのような、それでいて艶めいた声音が新を煽る。胸元に触れていた手を一気に下ろし、腿のあたりまで濡らしている千早のそこを指で開いた。 「んっ! ……あ、あ、ダメ、それ……」 「……痛かった?」 何しろ初めての事だけに力加減が分からない。 「違う、よ……」 自分の中に沸き上がる感覚に与える言葉がなかった、と切れ切れに千早が答えてくれ、安堵出来た新は千早の入口を探すように指を少し送り込んでみた。 「新……あらた……っ、だ、ダメぇ、また……っ!」 頭の中が真っ白になって弾けてしまいそうだ、と千早は新の背中にしがみつく。 「ちょっとだけ……待っての」 新自身もう待てないと自覚して、一度身体を離してさっき手にした避妊具の封を切る。 空気を入れないという程度は知っていたが、上手く装着できるかどうかは流石に自信がない。先端を指で摘んでそっと被せてみる。薄いラテックスが新をぴったりと覆い、ほっと息を吐いた。 「……ごめんな、待たせて」 詫びながら千早の脚の間に自分の身体を置いた新は、淡く色づく千早をもう一度指で優しく開き、先端を押し当てて身体を倒す。千早の両腕がその背中にまた縋ってきた。 「入れてくざ? 一応、力……抜いてての」 千早がその言葉に従い、背中を抱く手から少し力を抜いてくれる。新はなるべくゆっくりと、腰を進めていった。 「……っ! あら、た……っ、新……!」 千早の指先にまた力が入る。男の自分には、どれくらい痛みを与えているのか分からず、一度そこで腰を止めて平気かと問う。 「平気、だよ……。多分だけど……一度に、来てくれる方が、楽なのかもって、思う……けど」 そう返されて少し考えてみる。自分が痛い思いをするのは精々献血針ぐらいのものだが、ある意味千早の言う事の方が正しいような気もした。 「ん、なら……一気に行く」 千早の両脇から腕を差し込んできつく抱きしめ、千早に痛みを与えるのが一瞬であって欲しいと願いながら、熱く蕩けているそこに自分の熱を一気に突き入れた。 「……っく、……ンっ!」 大きく瞠った瞳が涙で滲んでいた。ようやく千早とひとつになれて嬉しいが、今動くのはきっと痛いだろうと新は深く繋がったまま千早が落ち着くのをじっと待つ。 「ひとつ……なんだね。今、……新と」 千早が言葉を紡ぐたび、新を包み込んでいるそこが呼応するように小さく蠢く。焦げ付きそうな気持ちの中、新は千早の手を取った。 「……ほや。ひとつや」 今の自分が感じている多幸感は、きっと何をどう言っても全部を伝え切れない。だから新はそれだけを口にする。 「うん。……分かる。新が……居るのが、分かる……」 しがみついていた背中からそっと片手を離し、新の頬に触れて千早は告げた。───遠慮せず、動いて欲しい、と。 「……変な我慢とか、してえんか? ほやったら、おれ動かん」 「我慢、してないよ。もう……痛くない。けど、けどね?」 そこまで言って、千早がふっと目を伏せる。 「……けど?」 新が鸚鵡返しで問うと、伏せていた瞳を今度はまっすぐ、新に向けた。 「さっきまでより……熱くて……甘くて。新に……されたい、って……」 身体全部がそう言っている気がする、と言い切った千早はそこで口を噤む。あとは新の気持ちに委ねるとその沈黙が伝えているようだった。 「……動くざ。痛かったら、言いね」 さっきから時折ひくつく千早に絡みつかれて、それしか返せなかった。 身体の安定を取り直し、新はゆっくりと腰を引き、また千早の中に埋もれさせる。 「……っ、あ……」 微かな声が新の鼓膜に届く。それが呻きなのか喘ぎなのかは分からないが、千早が望み、自分も求めている。何度か腰を送っていくだけで全て放ちたくなるのを必死に堪えた。 (おれかって、ちょっとでも長く……こうしてたいんや。千早と) 「ん……っ、あっ、あぁ……っ!」 千早が上げた声の意味が今度こそ分かる。千早のそこが一段ときつく新を締め付けているから、何の言葉も必要ない。少しずつ、新は腰を進める速度を上げだした。 「あ、やっ、ダメ……っ!」 ついさっき、本当の意味を教えてくれたばかりの言葉が千早の唇からこぼれ落ちた。 「……おれも、凄く……気持ち、いい……千早」 言いながら深く深く突き入れると、千早は強く抱きついて新の耳元で咽び泣くように返す。 「お願い、きつく抱いてて……! お願い……っ!」 「分かった。……息、苦しくないか?」 千早の懇願通り一回り華奢な身体をきつく抱いて問うと、千早はさらにしっかり新の背に腕を回し、抱擁を強めた。 彼女の中は新を奥の奥へと引き込もうというのか、きゅうっと絞られてひくつく。もう、新の我慢も限界寸前だった。 「……千早……っ」 せめてもの抵抗と、千早の名を呟きながら耳や首筋にキスを落としていくが、それさえも千早の締め付けを強めてしまう。 「ダメぇっ、新! もう、ダメっ! ……っあ、あ、あぁ……、───ッ!」 しっかり抱いている新の腕を弾き飛ばす勢いで、千早の背中がぐんと撓って、一際甲高い声と共に新を最奥まで引きずり込んだ。 「おれも……や、千早、……ちは、や……っ!」 腕の中の千早が少し掠れた声で、新、と呼ぶ。目が眩みそうな中、ありったけの思いを千早に注ぎ込んだ。 |