保湿系トライアルセット

Mine Later On 8

R18版



 浴槽の縁から身体を滑らせて床に跪いた千早の顔が至近距離にあるだけでも興奮を抑えられないが、立ったままの新からは目を伏せて見える表情で昂ぶったそこに指や唇、それに千早の熱い舌が与えて寄越す快感に、新の腰がゆっくり前後に揺れていく。
「ん……」
 腰と一緒に突き出してしまう昂ぶったものを、千早が口を開けて受け入れてくれる眺めに新の水位が急上昇の気配を見せた。
(さっき、それなり時間おいて休んだで、やろか……)
 一度目ほどではないにしろ、思っていたより早く達しそうだという気がする。
「……千早、立って」
 そっと腕を引いて床から立たせると、千早は怪訝そうに新の顔を見てくる。片腕で細い腰を抱き、告げた。
「そんな時間かからん気してきた。ほやから……しよ?」
「……うん」
 千早の両手の平が応じるように新の胸にそっと添えられた。新は千早の顎の下に指を差し込んで持ち上げ、顔を上向かせて唇を優しく塞ぐ。

 浴室の床に立って抱き合ったまま、長い口付けを交わす。顎から離して空いた新の手は千早の頬や首筋、背中の窪みと気ままに滑り、キスの合間に漏れてくる千早の熱い吐息をどんどん引き出していった。
「んっ……。新の、当たってる……ね」
 そんな事を言われ、少し仕返ししたくなった新は千早の身体を壁に顔が向くように、ぐるりと反転させて背中から抱き締める。
「え……っ? あっ、やぁ……んっ!」
 新がそのまま耳元にキスを落とすだけで千早の背がしなやかに反った。それを支えようと腰を抱いた時、手探りでとさっき考えていた頭に一つの考えが浮かんだ。
(さっき、もどかしいって思ったけど。この格好って、おれ手が動かしやすいんやな)
 千早の背中に少し体重を預けて、そのまま千早が感じやすい耳やうなじを唇に這わせたまま、空いていた手で千早の胸をすくい上げるように揉む。
「やっ、ダメそれ……っ、一度に、しちゃだめ……っ」
 せめてどちらか一方にと身を捩ろうとするが、背中にかかる重みと腰をしっかり抱いている新の腕に阻まれた。

 「一度に? こういうの?」
 耳元で囁き、千早の身体がびくんと跳ねるのを密着している身体全体で感じながら、新は腰に回した手で千早の下腹部をゆっくり撫で下ろして、脚の間に割って入ると敏感な核に届いた指を優しく往復させ始めた。
「あぁっ……、ダメっ! そ、んな……のっ、頭、どうか、なっちゃう……!」
 一番敏感なそこを撫でる指から逃げようとすると、新のもう一方の手の指で乳首を転がされ、一緒に耳の裏側に舌を這わされて背中が反り、結局新が指を届かせやすい格好で腰を引かないといけなくなる。
「……どうしたい? 千早は」
 とっくに千早のそこが濡れているのは分かっている。答えを引き出させようと耳に熱い息を吹きかけながら新はわざと訊いた。
「っ、あ……、欲、しい……新」
 恥じらいという箍を外したくてもう一度、感じやすい三カ所を愛撫する。
「あっ、あぁ……新が、欲しいの! 新のが、欲しい……!」
 泣いているような声で言わせてから手を離し、浴室の壁から千早を解放した。

 一度湯船の縁に腰を下ろして、蓋の上に置いたコンドームの個包装を一つ、ぺたりと床に座り込んでいる千早の手に持たせる。
「……さっき言ってたやろ? つけ方覚えときたいって。言う通りに、やってみて?」
「う、うん……。でも、失敗したら……」
 荒い呼吸の中、戸惑ったように言う千早に、予備も持ってきたから大丈夫だと新は言葉を返し、個包装を開けたら表裏を確かめて先端をしっかり指で摘むよう告げた。
「空気入ると破れてまうしの。被せる時も、おんなじ」
「この、くらい……? 新、の……先の方に当てれば……いいの?」
 新は頷き、そのまま指を巻き付けるように根元まで被せると教えると、千早の指が新を一周するように回されて、巻いてあったラテックスを慎重に昂ぶっている新の根元へと動かす。
「……っ」
(着けてるだけやのに、千早にされると……すごい、感じる……)
「ちゃんと、着けられたかな……」
 少し自信なさげな声に、新は大丈夫だと言葉を返して千早の腕を引きながら立ち上がって、また千早を壁に押しつけた。
(この風呂場、試合の後疲れてても手足伸ばせんで残念やとしか思ってえんかったけど。……こういうメリットあったんやな)
 何しろ本当に狭い一人用の浴室だ。ほんの少し移動するだけで千早の身体を壁際へ押しやれる。

 「この格好、恥ずかしいから、やだ……」
 さっきのように背中に覆い被さって体重をかけ、もがきかけた千早の耳元でわざと低く言い返した。
「おれが欲しいんやって言ったの、千早やろ?」
 それを認めさせるように、新は背後から抱き締めるように腕を回し、千早に火を点けやすい胸の天辺と濡れたままのそこで充血している小さな突起に指を這わせる。
「あ、あぁ……っ、そ、れダメ……っ! 言っ、た……、言ったから……っ! せめて、向かい合わせて……!」
「……却下。おれ試してみたい。こう、するの」
 言いながら新は胸元に触れていた手を離し、自身を手で支えて千早に宛がうと、腰を掴んで一気に突き入れた。
「あぁぁんっ!」
 艶めかしい悲鳴が千早から飛び出て細い腰がしゃくり上げるように動く。

 (この格好って……さっき探したとこ、擦りやすい気、する……?)
 自分のものに神経を集中させてゆっくり送り込んでみた。
「ひ……っ、ダメ、それダメぇ!」
 千早がきつく締め付けてきて、新の疑問を確信に変える。それにこの体位は千早の深くまで届かせやすい気もして、腰を掴んだまま大きく動きだす。
「あんっ、あっ! あっ、っん……っ! 新っ、だめぇっ! どうか、んっ、なっちゃう! あぁっ!」
 しきりに顔を左右に振って感覚の奔騰を堪えているが、千早の腰は本人の意志を無視するように新に合わせて艶めかしく動き、その中も新を手放したくないように奥へ奥へと引き込んで、新にも我慢を手放させようと蠢いていた。
「……千早が、締めてきて……、おれも、もっと欲しくなる……千早」
 空いていた片手で千早の背中をなぞり、耳に触れようとして邪魔になった髪を指先でかき上げる。
「あ、あぁんっ! 髪、ダメっ、ほんとに、どう……にか、なっちゃう……っ!」
 さっきは感じるのかくすぐったいのか分からない、と言っていた千早の口から甘い悲鳴が飛び出す。どうやらセックスの最中だと感じてしまうようだった。
「どうかなったかって、いい。そういうのも、全部、千早や……!」
 時折突き入れるリズムを変えて、新は千早を追い込む。同時に自分が溢水点に向かい出し、歯を食いしばってそれを堪える。

 「……ああっ、お願い……っ、せ……、んっ、せめて……、向かい、合わせで、っ、いかせてえっ!」
 壁のタイルを掻きむしるように力を入れた指先が白くなってまで千早が懇願してくる。それを見てしまっては、新もこのままの体勢で千早を押し上げ続けるなどできない。一度自分を引き抜いて、千早の身体を反転させて壁に背中を付かせた。
「うん。向き合って……一緒に、いこ?」
 転んだりしないように千早の手を取って自分の肩に掴まらせ、それから片脚を抱え上げて自分の腕に乗せる。身体が柔軟な千早はその体勢でも大丈夫そうだ。
「入れるでの?」
 優しく告げて、熱い昂ぶりを熱く濡れた千早に再び潜り込ませる。
「あ、あ、っ、あぁぁ……っ! 新、あらた……っ! んっ、あぅ……! 新、いい……!」
 両手でしっかり肩を掴み、向き合った格好で迎え入れた新を喜ぶように、窮屈な格好の中で千早の腰は動いて欲しいとねだるように円を描くように動き、新を駆り立てた。
「動くざ、千早……!」
 ぐっと腰を突き入れると、挿入した角度が違ったからか、千早の中がまた違った締め付けを見せてきた。自分のものが千早の中ではち切れそうなのが分かる。

 ひくつきながら柔らかく、それでいてきつい締め付けが、新の放出の欲求を限界寸前にまで押し上げ、全速で動きだした。
「千早……っ、おれも、もう……っ! っあ、ちはや……っ! いこ、おれと、一緒に、一緒にいって……!」
「……やっ、ダメっ、新、もうダメぇ! 私っ、いっ、ああっ! いく……っ! あっ、ん……っ! ダメっ、いくうっ!!」
 手をしがみつかせたまま千早の頭が新の肩に乗り、内側は新を最奥まで引きずり込もうと絡みつき、吸い付くように引き絞られて、ついに堰が切れたようにびくり、びくりと痙攣するような収縮を起こした。
「っ……! ち……は、や……っ! くぅっ、……うっ、あ……!」
 腰を震わせて新は堪えていた熱を全て、ひくつく千早の中に最後の一滴まで注ぎ込む。がくりと膝が崩れて倒れそうになった千早の片脚から急いで腕を離し、壁に背中を押し当ててゆっくり床に座らせてからその背中をきつく抱く。
「はっ、はあ……っ、んっ、はあっ……」
 まだ荒い息を吐いたままの千早の頭を肩で支え、残る片手で注意深く千早が被せてくれたゴムを引き抜いた。窮屈だけれど、どうにか袋の口を結び、後でゴミ箱に捨てようと浴室の隅に放り投げた。




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written by Hiiro Makishima