Mine Later On 3
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長いキスを交わしていくと、千早から受ける熱がどんどん高まっているのが洋服越しでも分かる。その熱を直接知りたいと、一旦唇を離し上半身裸になって再び千早をきつく抱く。 「……おれ、千早の事もっと知りたい。どこが気持ちいいんか、どうされると感じるんか……」 新の上腕に触れていた千早の指先に力が入る。 「恥ずかしいやろうけど。……そうやって言ってくれた時、おれもちゃんと応えたいって思ってる。ほやから知りたいんや」 (……もっと感じさせたい、乱れさせたいって、ほとんどおれ自身の欲やな、これ) 自分自身、ついこの間まで童貞だった。敏感な千早はそれでも感じてくれはしたが、いつかその求めに応じ切れなくなるかも知れない、その不安を払拭したくて問うた事でもあった。 「……、……う、ん」 頬を朱に染めて、千早はようやく言葉を返してくれる。 「ありがとう。……余裕なくなる前に、聞いていいやろか。今言ったのとちょっと違うけど」 千早にセックスの欲求が生じた事はもう分かっているが、何故そう感じたのかがよく分からない。 「変な言い方やけど……したい、って言いとなった切っ掛け……みたいな事。何かあった?」 新の質問に、千早は両手で胸を押さえてしばらく逡巡していたが、思い切ったように口を開き始めた。 「……新の手って、あったかい。繋いでる時とかにね……やっぱり思い出してドキドキはしてたんだ。けど昨日の晩さ、テレビ見てたの」 かなり前に千早は、姉の千歳が出演した番組はそうやって家族全員で見ていると新に言った事がある。そして昨夜も番組開始を待っていたが、放映時間前にやっていたのが恋愛ドラマだった、と話を続ける。 「恋人役のキスシーンに居たたまれなくなっちゃって、レポートあるからって部屋に戻った」 姉のドラマさえ見ずに部屋へ入ったのは、自分とキスした事と重ね合わせてしまったからか、という新の問いに千早はぎこちなく頷いた。 相当思い切りがいっただろう話を告げてくれても、まだ千早の赤面が引いていない。その千早が新の腕をぎゅっと掴んできた。 「狡いかも知れないけど……何言っても引いたりしないって、約束……して欲しい。……今」 (ドラマ見て、おれとキスしたの思い出した以上の事、言いたいんやろうか……?) あれだけ本音をさらけ出した後だ。別れたいという話でなければ何を言ってきても構わない。 「うん。約束する。何言ってきても、千早は千早やから」 大きな瞳がほっとしているのが分かり、新は隣に横たわり直して耳を傾ける。 「部屋に戻った時……声、思い出した。私が欲しいって……あの日言ってくれた、新の、声。思い出しただけなのに、わ……私、感じ、始めてて……。生まれて初めて、触って……みた」 (意外って言えば意外やけど……声思い出して感じてくれるって、嬉しいけどの、おれは) 自分にとっては、何を口にしても引かないで欲しいと約束させたい程の話でもない、新はそんな事を考えた。 「だけど……だけどね?」 泣きそうな声で千早が言葉を継いできて、新は考え事を打ち切った。 「もどかしくて寂しくてダメ、だった。……声も身体の重みや暖かさも……新の気持ちも、全部……全部そこになかったから! 新じゃないと、新がしてくれないと無理なんだって……気付かされただけだったんだよ……! だからどうしても、ダメだった!」 いつの間にか千早の目に涙が滲んでいる。 「……落ち着きね。おれも、そうやから。千早と、おんなじやから」 男の自分は、扱けば射精には至る。新はわざとストレートに言った。 「ほやけど、千早をほんとに抱いてからは、やってても……ただ出してるだけや。あん時のこと思い出してしてるけど、イメージの中の千早は目の前に居(え)ん。触られん。おれに触れてもくれん」 両の瞳を涙で濡らしたまま、千早がじっと見つめている。 「ほやから、今こうやって千早が側に居て嬉しくて。もっと感じ取りたくて」 新は身体を起こして千早をもう一度組み敷き、耳元で告げた。 「おれも千早が、欲しいんや」 耳が感じやすい千早がふるりと身を震わせる。 「……言ったやろ? 千早はおれのやし、おれは千早のもんやって。……遠慮いらん。好きなだけ、欲しがって」 うん、という吐息を混じらせた千早の声が新の鼓膜を震わせた。 「新が欲しい。もっと欲しくさせてほしい。……もっと欲しがってほしい。私のこと」 その言葉だけでも新のそこに熱が集まる。 「当たってるの、分かるか? もう欲しいで、勃ってもてるって」 「……うん」 「千早がそうさせてるんや。……ほやから、責任取って」 勝手な言葉をその耳に囁いて、唇を奪った。 また長い口付けを交わす。時折唇が離れかけると千早は悩ましい吐息を新の耳に運んでくれる。それが嬉しくて千早を抱き直そうと身体を動かした時、キスが解けてしまった。 「この前も、思ったけど……新の、キスって……気持ちいい」 気持ちが流れ込んでくるようで、もっともっと続けて欲しくなる。そう正直に言葉を送ると新の目に優しい色が浮かぶ。 「それ聞けて、嬉しい」 そう答えてくれるのに、新は唇を避けてきた。 「……ほやけど今は、もっと色んなこと、千早にしたい」 「やっ、それ……、耳元で、言うの……ダメえっ、頭、真っ白になるから……ダメ……」 なっていいざ、と返される声にさえ身体が熱くなる。身悶えしたのが分かったのか、新の手が逆側の耳をそっと撫でる。 「……っ、あ、んっ……!」 身を捩ると昂ぶっている新のそこが強く押し当たって、新が囁いたように、色んなことをして欲しい気持ちが大きくなった。 |