保湿系トライアルセット

さびしさに 

R18版



 新の身体の下で千早は荒い息を吐いている。丸い額に汗が玉になって光っているのを見て、新は片手を伸ばしてそれをそっと拭った。
「あ……あり、がと……」
 薄く目を開けた千早が呼吸の合間に小さく笑む。
「大丈夫か?」
「ん……。平気、だよ……。けど、新……、まだ、だよね?」
「……無理せんかって、いいざ?」
 そもそも完全に自制心を失って焦ったのは自分の方だ。
「それに、おれ二度目やが? 時間掛かるかも知れんしさ」
「合わせてくれるって、さっき言ったよ?」
「……う」
 千早の一言は新の痛い所を的確に突いてきた。だが、これまで肌を合わせてきた中で、千早は一度達するとその後はさらに早く頂点まで駆け上ってしまう事も知っている。二度目の放出に時間がかかる自分とはちょうど正反対になってしまい、合わせるとしても千早がそれまでに何度高みに押し上がってしまうかが心配だった。
「いいよ、それでも。……一緒がいい」
 そこまで言われて、男の自分がこれ以上ぐちぐち言う訳にもいかないだろう。新はふっと小さく息を吐く。
「……分かった。おれも我慢せんとく」
 短く言葉を返し、身体を倒すと千早の唇を奪うように口付けた。

 「……っふ、ぁ……んっ、んん……っ……」
 新が舌を差し伸べると、千早の息がまた乱れ、新を受け入れたままのそこがひくん、と蠢き出す。それに力を得て新は告げた通り、極力早く千早のタイミングに合わせようと、大きな動きを再開させた。
「あ……あぁっ! やっ、ん、凄……っ、深い……っ」
 奥に新が届くと、千早はしきりに顔を左右に振って奔騰する感覚を堪えようとする。
「我慢せんで、いいって」
 新は片手を千早の腿の裏に回し、自分の腕をつっかえ棒にする格好で千早の足を大きく開かせた。視線を落とすとぱっくりと口を開けた千早のそこが己を貪欲に飲み込んでいるのが見え、新の喉仏がごくりと上下した。
「一番深いとこ……届く?」
 ぐっと腰を突き入れた途端、千早の上げる声がまた変わる。

 「ひ……っ?! それダメぇ! やだ、やだぁ、また……いっちゃう、新ぁ!」
 指先が白くなるほどシーツを握り込んで、千早は必死に耐えようとしてみせる。ついつい勝負根性が出てしまい、新は送り込む腰の角度を微妙にずらしてみた。新が動くたびに溢れる蜜が音を立て、耳からも新に我慢を手放させようと働きかけてくるようだった。
「だめ……っ、そこ、だめ……! もう、ダメえっ!」
 千早は眉を寄せ、爪先をきゅっと曲げて堪えるが、本人の羞恥心に構う事なく、千早のそこは頂点を極めたいと自ら動いて新を最奥まで引きずり込む。
「千早、凄い……締めてくるな。……いつもより、キツい気する……」
 思ったより早く自分も終わりそうな感じがした新は、腕で支えていた千早の足を自分の肩に乗せ、真上から叩き付けるように腰を使い始めた。
「っ、あぁ、ダメっ、いく……っ! 新っ、新ぁ! もう……っ、ダメっ! っ、───!」
 辛うじて堪えていた快感の波が、ついに千早を根こそぎ押し流す。意識全部が真っ白に爆ぜ、千早は身体の内と外、全てを小刻みに震わせて弾け飛ぶように達した。

 「……えっ? ま、待って……私、今……いったばっかりで……っ」
 千早の震えが収まった途端、新の抽送が再開される。いつもなら息が整うまで新はもう少し待ってくれるが、我慢しないと告げた通り、今日はすぐさま動き始めた。
「あ……んっ! やっ、また……っ! ううん、まだ……続いてるの……っ!」
「……おれも、そろそろや……っ、千早が、凄く……気持ちいい、で……」
 おとがいから汗を滴らせながら、日頃は照れ屋な新が酷くストレートに答えてきた。その言葉の響きだけでも千早の全身に電流が走ってしまう。
「く、ふっ……あぁ、あっ! お願い……っ! 今度は、一緒に……!」
「うん……っ、わかった。……合わせる、で……、ちょっと、だけ……待って」
 言うなり新は全速で動き出した。

 「───っ、……っあっ! っふ、い……っ、ちゃう……っ!」
 何とか堪えたくて千早は新の肩にきつくしがみつく。それでも足りず、無我夢中でその肩口に噛み付くように口を押し当てた。
「……んっ、んーっ! っふぁ、ンっ!」
 自分のためだけに、必死に快感を堪えている千早の姿が新の最後の枷を意識から弾き飛ばした。
「千早っ、いくざ……っ? いいか? 一緒に、や……っ」
 限界が近くなり、千早の中で新がぐんと嵩を増す。
「うん、うんッ……! 来てっ、新! ……新っ、あ、あ、んっ! ダメ、もう……っ!」
「……っく、う……っ、……! っ、ダメや、おれも……!」
 新の腕が千早の背中を息が止まりそうな程きつく抱き締めてきた。
「あ、らたぁ……っ!」
 きつい抱擁を弾く勢いで千早の身体がぶるっと震え、中に居る新の先に熱い飛沫が降りかかると、もう新にも耐える術などない。腕の中の千早を逃がすまいと力を込め、そのまま彼女の中に全てを注ぎ込んだ。
「……っく、……あ、……ち、は……や……」
 腰が震える度、新の目が眩む。自分が溶けてなくなりそうな放出の感覚が続く中、腕の中にある千早の身体が一緒に震える、それだけは最後まで手放さなかった。





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written by Hiiro Makishima