Costume 3
|
部員同士の親睦を図るという名目で開かれた飲み会が終わり、新たちは帰路につく。 「……うち帰ったら、もっぺん顔洗お……」 お開きの後、相模はちゃんとメイク落としが出来るシートを一年生三人に手渡してくれたが、どうにも違和感が残っていた。 「って言うか……私これ、どうしよう」 一度袖を通したものだから、と出水が強引に手渡してきたメイド服を見て千早は溜め息を漏らした。 「持って帰ったら、なんか色々言われそうだし……はあぁ……」 どうやら千早の期待通りに答えるしかなさそうだ。 「うちに置いて帰んねの。そこまで場所取らんし、適当に鋏入れてゴミに出したかっていいし」 そう言った時に、新はふと閃いた。 「じゃあ、お願いしていいかな」 「一個だけ条件受けてくれたら、いいざ」 千早が目を丸くして聞き返す。 「……部屋で、着てみせてくれたら、預かる」 「なんか私が一方的に不利な気がするんだけど……新だけ持って帰ってないし」 値の張る着物や袴は出水が持って帰った。 「……かるたは取りづらかったけどの。札拾いに行くと裾踏むし」 「実は私も着たばっかりの時、何度かやった。今はないけど」 話が脱線しそうな事に気付き、新はもう一度問い掛ける。 「ほんで、条件飲むんかし。じき部屋着くし、早よ決めね」 「……う、わ、分かった……飲む」 ほんなら取引成立や、と言葉を返してアパートに向かった。 「とにかく顔洗ってこ……」 千早を中に通し、新は洗面所で顔を洗い直す。泡を落とすとようやく肌の上に何も付いていない、いつもの感触が戻ってきてホッと出来た。 「千早も顔、洗い直すか? あのシートだけやと、なんか気持ち悪い気したけど」 「あ、平気。相模先輩、そこまでメイクしなかったから」 実際千早に施されたのはリップグロス程度だった。相模本人は何度かメイクの必要のなさを愚痴っていたそうだが。 「……昔バイト先で写真集見たけど、やっぱ似るやろうな」 千早がきっちり化粧をするか、姉の千歳がすっぴんになれば相当顔立ちは似ていそうだ、と新は笑いながら言う。 「あんまり意識した事ないなあ、私」 「姉妹って、そういうもんなんやろか。それだけは、おれ分からんもんなあ。……ところで千早。さっきの、条件」 逸れかけた話題を強引に引き戻した。 「う……。けど、着るとこ見ないでよ? 壁の方、向いてて」 短く頷いて新は素直に壁の方を向いて座り直す。紙袋のがさごそとした音と、千早の溜め息、それから服の生地が立てる微かな音が耳に飛び込んできた。 「……これで、いい……?」 言われて振り向くと、さっき目にした黒いメイド服を身に纏い、顔を真っ赤にした千早が立っている。背も高く、脚が長い千早にはそのスカート丈はミニスカートになってしまうらしく、しきりに裾を気にしていた。 「うん。よう似合うてる。学祭ん時に何人か着てるの見たけど……」 ごくりと喉仏が動く。手を伸ばして千早の腕を引き、よろけた身体を下から抱き留めた。千早が慌てて新の肩に手を置くと、柔らかく盛り上がる胸がちょうど顔のすぐ前にきた。 「……千早が一番、似合う」 言いながら剥き出しになっている腿を撫で上げる。 「や……っ、新……」 口にしかけた言葉を新は胸元に顔を埋めて断ち切らせ、腕を引いていた手を腰にしっかり回してから腿を撫でていた片手を千早の背後からスカートの中に滑り込ませた。 「……っ、やぁ、あ……っん……」 悩ましい声が頭上から降ってくる。その甘い声をもっと聞きたくて、新は指先でショーツのクロッチの上をゆっくり前後に往復させていった。 「や、あ、……ダメぇ……、新、それ、ダメ……」 両肩に置かれた千早の手に力が入り、布地ごしに撫でている指先に湿り気を感じ取る。腰を抱えていた手を背中へと這わせると、ちょうど背骨のあたりに金属の硬さがあった。 「後ろにファスナー、あるんやな。これ」 言いながら背中に回した手でファスナートップを探り出し、引き下ろす。その音にさえ反応しているのか、千早の唇から吐息が零れた。 「……立って、られない……」 「膝付きね? おれ支えてるで。……キスしよ」 そう告げると千早は素直に新の腕に体重を預けて膝を折り、目線を合わせてきた。恥ずかしそうに頬を染めているその顔に新は唇を近付け、優しいキスを落とす。背中を支えていた腕で今度は千早の肩をしっかり抱いた。 「……ん、……っ……」 口付けを喜ぶように千早の腕が新の首を抱く。脱がせてしまおうか、と思ったが新はその考えを後回しにしたくなった。 「これ着せたままで、いいか? ……別に最後まで着てえんでも、いいけど」 耳元で思い付きをそのまま言葉にすると、新の腕の中で千早の身体が艶めかしく動き、弾みで持ち上がった黒いスカートの裾から千早の長い脚が太股まで露わになった。 「っ、なんで……、あんっ!」 耳元へのキスとショーツ越しにまた新の指になぞられて千早は最後まで言い切れない。ジッパーを下ろされたメイド服が肩からずり落ちているのが分かる。 「……罰、かの。道場で他の男に、見せたやろ? スカートの、中」 こじつけにも程がある理由だが、新にとっては本音だ。また耳元で一言ずつ区切るように言う。その度にぴくんと跳ねる千早の姿に煽られ、スカートの中に差し込んでいた手で露わになった肩を撫で、服の上から胸を持ち上げてソフトに揉んだ。 「……あ、やぁ……っ、べつ、に……見せよう、って、んっ、思った……訳じゃ……やんっ!」 「おんなじや。おれにとっては」 それが故意でなくとも、見ていいのは自分だけだと新は更に言葉を継いで、またスカートの中に手を入れるとショーツを引き下ろして今度こそ千早のそこに直接触れる。 「……っ、ごめ、なさ……っ、あぁんっ! あ、あぁ……っ、あら、た……ぁ」 途切れ途切れの謝罪が千早の唇から紡がれた。それがどうにも可愛らしくて、この窮屈な体勢では無理な愛撫を施したくなった。背後から肩を支えていた腕に千早の重みを乗せて徐々に仰向けにさせていく。床に背中が付いたと分かって新はその上に覆い被さった。 「わざとでないのは、分かってる。……ほやけど、もう見せたらあかんざ? 約束できるんなら、おれにキスして?」 言った途端、千早の腕が首を抱いて新の顔を近くに引き寄せて唇を合わせてくる。 「ん……っ、……っ、は……ぁ、やく、そく……、する……」 キスの合間に千早はどうにかそれだけを口にしてきた。 その頬をそっと撫で、新は一度キスを解く。 「……うん。ちょっとだけ、待ってて? ちゃんと、してあげたいでさ」 押し入れから布団を出して、中途半端に身に着けたままのメイド服ごと千早を横抱きにした。弾みで足首に引っ掛かったままだったショーツが床にはらりと落ちるが、構わず新は布団の上に千早を寝かせ、いきなり千早の脚を開いてそこに舌を這わせる。 「やっ、ダメ……っ! 新、それ、ダメぇ……。っ、あ、あぁっ!」 探り当てたぷっくりとした粒を丁寧に舌先で舐め上げると、千早の腰が揺れ、甘さを増した声が唇をついて出た。それをもっと聞きたくて、新は蜜で濡れたその中に指を送り込む。 「っふ、あぁぁ……っ! やだ、ダメっ! そんなに、したら……、あんっ!」 「……いきそう?」 そこから顔を上げて問うと、千早は身を捩りながらも肯定の言葉を口にした。上半身はほとんど脱げて、裾にフリルが付いたスカートだけが辛うじてメイド服だと分かる程度だ。空いている手でブラのホックを外すと可憐なピンク色がつんと尖っているのが見え、千早の中に差し入れる指を増やしながら身体の位置を変えてそこに口付ける。 「……っや、あ、あぁっ、あら、た……、私、もう……っ! もうダメぇ! いっちゃう! ダメぇっ!」 上に乗っている新ごと持ち上げる勢いで背中を反らし、身を震わせて千早はそこから熱い飛沫を噴き出させて頂点に駆け上った。 |