201X1201
|
抱いていた腕をそっと外し、濡れそぼった千早の中に居たままだった新がゆっくり動き出すと、千早の唇から柔らかい吐息が紡がれていく。 「……ゆっくり、するでの? 千早ん中、気持ちいいでさ」 「そういうの、言わないでってば。……新の、バカ」 新のストレートな言葉に、少し膨れたような声が返ってきた。それに小さく笑って言葉を返す。 「ほやざ? おれ『かるたバカ』やし。……千早にもや」 「……なんかちょっと意味、違う気するけど……。でも、いい。……私も、おんなじだから」 首に回っていた千早の腕がするりと抜けて、新の二の腕をそっと撫でながら手の平の方へと下りていく。意味を察した新は片方の肘で体重を支え、空いた片手でその手にそっと指を絡めた。 「新……」 「……何?」 問い返すと、千早が繋いだ手に軽く力を込める。 「大好きだよ」 「うん。おれも大好きや。千早のこと」 揃って照れくさそうに笑う、お互いの視線が交わる。新はゆったりとした動きを再開させた。 「んっ……気持ち、いい……新……」 千早がうっとりとした声で告げてくる。 「……けど、変に気遣わなくて……いいよ」 普段の力強い新も好きだと千早に言われ、中に留まっている新がまたぐっと嵩を増した。節操がないと自分でも思うが、その可愛らしい言葉が新を煽ってくる。 「動くざ?」 言うが早いか、新はリズミカルに腰を送り始めた。 「あぁ……っ! やっ、それ……、ダメぇ……! あっ、やぁんっ!」 千早の中を新が行き来するたびに、普段通りの喘ぎが紡がれ、それがますます新を駆り立てる。 「……やっぱ、いい声してるな。こういう時の千早」 「変な、こと……言っちゃ、んっ!」 少しだけ早く動いて、その抗議を新はかき消させる。繋いだままの手にぐっと力が込められ、身体の下で千早がしなやかに反った。 「やっ、ダメ……っ! また、いっ……ちゃう……っ! あ、らた……!」 さっき一度昇り詰めたからか、あっという間に千早の限界が近付いている。新はまた少し、速度を上げた。 「っあ……んっ! だ、め……、い、あぁっ! わ、たし、もう……! 新、新ぁ!」 感極まった声が名を呼んだ。応えるように力強く動くと、千早の中がきゅっ、と引き絞られて新を奥へ奥へと導く。 「千早……いきね」 新はいつも通りの速さで動き、千早の最後の箍を外しにかかった。 「んっ、あ、ンっ! だめッ、だめぇ! い、く……っ!! ……っ、あぁぁッ!!」 ついに千早は頂点を迎える。限界まで絞られたそこが、今度はびくん、びくんと断続的に震えると、同じタイミングで頬を上気させた千早の身体も跳ねる。その都度息を息を潜めては艶っぽい吐息を漏らす姿が、新のボルテージを押し上げた。 すぐさま新は動き出す。達して緩んだはずの千早がまた締め付けにかかり、吐息が喘ぎに変わった。 「ひ……っ?! ダメ、私、いったばかり……なのに、あ、やっ、あんっ!」 「……おれも、そろそろや……」 それを聞いた千早の腰が感じるままにせり上がり、新は身体を起こして悩ましく動いている腰を腕で支えて力強く腰を送り込む。 「それ、ダメぇっ! ダメ、どうか……なっちゃう! ……っ!」 動きに合わせて柔らかな胸が揺れているのが目に入り、新は腰を支えていた腕を片方外して、そこを持ち上げるように触れ、指先で可愛らしいピンク色の先端を摘む。 「……あ、あぁぁっ! やぁ、あっ! んっ、お、願いっ、おねがい……っ!」 完全に昇り詰める時に紡がれる悲鳴のような声が、新の堰を切った。腰から手を放して千早の上に覆い被さると限界まで動きを早めて千早を追い込んでいった。 「千早……っ、おれも、もう……、いきそうや……!」 「お願い、お願い……っ! 新、お願い、一緒、一緒に……っ!」 言葉通り、千早のそこがまた、新を奥まで欲しがって締め付けてくる。 「……っ、千早、千早……! おれと、一緒に……!」 「あぁ……っ! ……、もうダメぇ! いっちゃう、いっちゃうよ、新ぁっ!」 新の上体を持ち上げるほどの勢いで千早の背がぐんと反る。熱く蕩けきってひくつくそこが、とうとう新に最後の我慢を手放させた。 「……く、ぅ……っ!」 蜜で溢れる千早の熱いそこに、新も熱を放つ。 「……」 眠っているのか気を失ってしまったのか、千早は目を閉じて動かない。新は身体を起こして自分の重みから千早を解放する。さっき着けて見せてくれたリボンもいつ外れたのか、渦を巻くように枕のそばに落ちていた。 「しばらく、寝かせとこ」 日付はとっくに変わっているし、プレゼントと称して色々とねだったのは自分だ。無理に起こすのも忍びないと掛け布団を引き上げようとして気が付いた。 「こっちの布団、寝られそうにないな、これ」 脱力した千早の腰の位置に新しい染みがまた出来ている。新は起き上がって取り敢えず自分の下着を履き、千早が着ていた浴衣とショーツを拾って戻り、爪先からそっと生地を引き上げて履かせた。 「よ……っと」 千早の脇に座り直し、背中にそっと腕を差し込んで上半身を抱き起こして自分の胸板で受け止める。窮屈な格好のまま、千早の腕に浴衣の袖を通し、元通り寝かせてから前を合わせて帯を簡単に結んだ。 「枕だけ、動かすか」 隣の布団の掛け布団を大きく捲り上げ、今座っている方の布団に乗っている枕を隣へ移動させた新は、千早をそっと横抱きにして隣に寝かせると、一度立ち上がって客間入り口にある照明のスイッチを消す。オレンジ色の常夜灯が優しく彼女を照らしているように思えて、小さく笑んだ新は千早の隣に戻ると掛け布団を引き上げながら自分も横になる。 「おやすみ、千早」 額にキスを落とし、畳んだ眼鏡を枕元に置く。すぐ側から聞こえる規則正しい寝息が新の目蓋を重くしていった。 |