Sober Up --
|
「さっきおれの事、泣き上戸とか言うた本人が泣くし……」 「……う、ご、ゴメン……」 からかうように新が言うと、千早は腕の中で身を小さくする。 「ほやで、これ……罰や」 「……え?」 目を丸くした千早の顎を指先で引き上げ、新は唇を奪う。首に抱きついてきた千早の腕はそのままにさせ、顎を上げさせていた手で今度は千早の耳をそっとなぞった。 「……、っ……」 「千早……、もっぺん、しよ……?」 キスを解いて耳元で言うと、千早の背中が柔らかく撓る。 「……うん……」 望み通りの答えを得た新は、もう一度千早に深く口付けた。 狭い浴室で立ったまま抱き合い、二人はキスを続ける。浴槽の湯が縁を越えて床に流れ、二人の足に暖かい湯が触れた。 「……あ、しもた」 一旦抱擁を解いて新は蛇口を閉めた。千早の方を振り返ると、何故か千早は床にしゃがみ込んでいる。 「……どうしたんや? ……具合でも悪い?」 「ううん、全然。……ただ、こうしたくて」 言うなり千早は床に膝を付いて背中を真っ直ぐ伸ばし、ちょうど目の前にきた新のそこに唇で触れる。 「え、ちょ、千早……いきなり、どうしたんやって……」 「……したいから、するだけだよ……?」 そう言われると新も断る理由がなくなってしまう。手桶をたぐり寄せて、一応全身に湯を浴びてから頷き返した。 新が頷くのを見て、千早は手を伸ばし、新をそっと指先で握ると、ソフトクリームを食べる時のように舐め始める。 「……っは、千早、それ……気持ちいい……」 「ん……」 千早の唇が動くたびに、新の露と千早の唾液が混ざって、じゅるっ、という淫猥な水音と、だんだん荒くなる新の吐息が浴室に響く。それに力を得て千早はもう少し大きく口を開け、新をしっかり頬張ると口の中の空気を抜いて顔をゆっくり前後に動かし始めた。 「……あぁ……」 新の手が下りてきて、千早の髪をくしゃりと掴んでくる。引き締まった腰が、千早の顔の動きとちょうど逆に揺れ出した。それなら、と新の腰が揺れるのをそのままにして、千早は新が腰を引いた時に、自分の舌を伸ばして裏側を舐め上げた。 「っ、……く、……ぅ……、千早、すごい……っ……」 「……ん、ふ……っ、ぁ……ん、……んんっ……」 口の中の新の昂ぶりは、熱さと硬さをどんどん増していく。こんな存在感のあるものが、いつも自分の中を行き来していたのか、と千早の胸も鼓動が早まり、さっきのセックスを思い出して彼女のそこにも軽い疼きが生まれた。 「……んっ……あ……」 千早のくぐもった声の調子が変わり、新は不思議に思って視線を落とし、思わず目をしばたたかせてしまう。自分を口で愛撫しながら、千早の片手は床に膝立ちになった脚の間に触れていた。 (……え、もしかして……千早、今……自分で、してる……?) 「今日、ほんとにどしたんや、千早……?」 一度口をそこから離させて、新は訊いた。 「……なんか、我慢……できないの……。新に、してたら……さっきの、思い出しちゃって……身体が、熱いよ……」 千早の切なそうな声に嘘はないようだ。 「……ちょっと待っての? ……立てるか? 千早」 脇を抱え、壁に凭れさせるように千早を立たせて、新は滅多に使わないバスマットを浴槽の蓋の裏から出してきて敷いた。 「そこ、座りね」 バスマットに座った千早の脚を大きく開かせると、新は両脚の間に入り込み、そこを指先で割り広げた。 「……っ、あぁ……んっ……」 悩ましげな声がそれだけで千早の唇から漏れだした。新は千早の片手を取って、くつろげたそこへ導く。 「千早……、さっきやってたみたいに、してみてや。……おれも、手伝うでさ」 言いながら千早の手を、濡れそぼったそこを往復させるように動かしてみた。いやらしい水音が二人の鼓膜を刺激していく。 「んっ、……あ、あっ……、っく……ぅ、……んっ!」 指先が充血した核に触れた途端、千早の腰がひくん、と動く。 (……凄い、ヤラシい眺めやなこれ……こっちの我慢が利かんわ、マジで……) 新は身を乗り出し、千早の耳に口付けながら言葉を発した。 「おれも、もう入れたくなってもた……しても、いいか?」 「……っ、ん、……うん、私も……新、欲しいよ……」 千早の言葉を聞いて、新は千早の腰の下に自分の脚を滑り込ませて、向かい合う格好でバスマットに座った。 「千早、こっち来ね。……膝を、おれの両脇に出して、跨ってまえばいいで」 「ん……っと、こう……?」 新の肩に手を置き、千早は言われた通りに動く。下りてきた腰を新は支え、高さが合ってきた千早のそこに自身をあてがって、千早の腰を彼女自身の体重で自然に下ろさせると、少しずつ新が千早の中に入り込んでいった。 「んっ、入って……きてる……っ、あんっ、やぁ、凄い……」 「……気持ち、いい?」 新の問い掛けに千早はこくこくと何度も首を縦に振って答えを返した。新の全部が収まると、千早は新の肩に額を乗せ、荒い息を吐く。 「千早、動いてみるか? 自分の好きにで構わんざ」 「……やって、みるけど……自信、ないよ?」 「いいんやよ、ほんとに千早が思う通りで」 新に優しく告げられ、千早は両手を新の肩に置いて、膝立ちの要領で腰を浮かせ、また下ろす。 初めのうちはぎこちない動きだったが、新のものが千早が感じやすい箇所を擦り上げた途端、千早の腰はしゃくり上げるように滑らかに動き出した。 「……んッ、あぁッ! ……新、新ぁ! ……凄いの、新の、凄く、いいの……っ!」 一段と千早の締め付けが強くなる。 「おれもや……一緒に、動かして、大丈夫か?」 千早が一番深く新を飲み込む動きに合わせて、新もぐっと腰を突き入れた。 「ひっ……?! ……それ、ダメ……! 動かせなく、なっちゃう……!」 「……ほんなら、体勢ちょっと変えよっか。千早、こっちの手……床に付けて。狭いで、こうぐらいしか無理やし」 千早が横向きにバスマットに上半身を置く格好になり、新はマットの端に脚を開いた正座のような格好を取る。開かせたままの千早の片足を抱え、それを支えにして新は再び腰を送りだした。 「……ッ、あぁんっ、そこは……っ、やッ、ま、また……いっちゃうッ!」 首が自由になっている千早は、長い髪をしきりに振り乱して喘ぐ。 「いいざ、いって。……何べんでも」 空いている方の指先で、新は自分のものが出たり入ったりしているすぐ近くにある、ぽっちりとした蕾を動きに合わせて擦る。 「ひぁッ?! ……あ、あぁッ、新、ダメ、私っ、……っふ、あぁぁんッ!」 千早の中がきゅうっと引き絞られ、指の動きに合わせて細い腰はリズミカルに揺れている。中の感触と、切羽詰まった声、それにこの扇情的な眺めが合わさり、新の水位を一気に限界まで押し上げた。 「あかん、おれも……いきそうや……っ、千早、一緒に、千早……っ」 余裕の失せた声で告げ、新は腰を目一杯動かし出した。 「あぁあッ、新、早く、……もう、保たない……っ! ……あッ、ん、いッ、……いく……ッ!」 千早の全身にぐっと力が入り、その強烈な締め付けで、新はついに限界を超える。 「……っく、う……ッ、ち、はや……ッ!」 白く艶めかしい裸身が小刻みに痙攣する。その中に新は再び熱を迸らせた。 |