保湿系トライアルセット

Costume 5

新と千早の大学生活:R18ver.



 すでに一度達したそこから十分すぎる蜜が指先に伝わり、あてがった自分の熱で新はゆっくりと千早を押し開いて進んでいく。
「……あ、あ……っ、ん、……新、あらた……、あ、ん……っ!」
 全てを受け入れてくれた時、千早の唇から紡がれる声がまた変わった。指先が新の背中を引っ掻くように滑る。
「我慢、せんでいいざ。……おれも、多分そんな保たんし」
 それでも出来る限り堪えたいとは思うが。
「無、理……だよ、我慢、なんて……っ!」
 今こうしているだけでもどうにかなりそうだ、と告げる千早の声が新の水圧を一気に押し上げた。
「ほやで、せんでいい……って」
 言うなり新は動く。
「やっ、ダメ……っ! っ、あぁっ! そこ、ダメぇっ!」
 耳に馴染む甘い悲鳴が新の動きを早めた。

 「千早……凄い、すごく、気持ちいい……」
 熱くて柔らかいのに、時折ひくつきながら新を締め付けてくる。もっとその中を堪能したいと思うのに、その欲さえ果たせそうにない。
「わ、たしも……っ、だよ、新ぁ……! あ、あ、やぁっ、新っ、あらた、お願い、おねがい……っ!」
 後から後から湧き出る感極まった声が忍耐を打ち砕こうと働きかけ、新は歯を食いしばる。
「ちはや……、手、繋ぎ、たい……」
 呟きが聞こえているのかいないのか、千早の手は新の背中を這い回ったままだ。新は片手で千早の腕を捕まえ、背中から引き剥がすと指を絡める。千早の指がすぐさま応えてくれた。

 「……え?」
 まだ背中に残っていた千早の手が新の首を抱き、ぐっと力を入れて自分の方へ顔を引き寄せようとする。それさえもどかしかったのか、下から首を伸ばして千早が唇を深く合わせてきた。
「んっ、……っ、ふ、……ぅ、ぁ……ん……」
 千早の求めに応じて新が少し身体を倒したとたんに夢中で唇を貪ってくる。新が腰を止めてそのキスを受けると、千早の腰が揺れて新をもっと奥までねだる。
「……っ、……!」
 唇に伝わる熱と、悩ましく動いて新を引き込む千早の内側から起こる熱は、堪えていたいという新の意志を押し流してしまった。
「千早、ちはや……っ!」
 繋いでいた手を一度離し、千早の片膝を抱え上げて大きく開脚させる。逆側の腕に体重を乗せて、また手を繋ぎ直してから新は一気に腰を送り込んでいく。
「あ、やっ、そこダメぇ! いっちゃう、もう、私、……お願い、おねがい……っ!」
 完全に余裕を失して頂点が近い事を告げる、泣き声にも似た千早の声がとうとう新の堰を切った。
「……っ、もう、おれも、もう……っ! 一緒に、千早、……ち、はや……!」
「あぁ、ああっ! っ、あぁぁんっ! 新、わた、し……! 私、もう、ダメ……! い、く……、いっちゃう……!」
 新を一番奥へ引き込み震える千早の中に、新の熱は奔流となって迸る。新の手をきつく握り、その最後の一滴まで受け止めた千早の身体が震えて、その事を新に教えてくれた。


 「……ところでさ、新」
 ようやく汗が引いた千早がいきなり呼び掛けてきた。
「道場で取った試合、もうちょっと詳しく感想聞いていい?」
「女物の袴で取ったやつか? んー……札はねるぐらいは普段とそう変わらん気したけど、戻り手ん時は帯邪魔やった。……あと、スパッツ履いてたかって、メイド服着てる千早が目の前やでさ、流石に落ち着かんかった。……取りの感想っちゅうより服装の感想やな、これ」
 新は苦笑を浮かべて答える。
「三室くんは取りやすそうだったよね。なんか動き軽かったし」
「やな。実はおれと三室、それちょっと話してたんや。あいつのスカート捲れたかって誰も得せんし」
 その一言に千早が「まだ根に持ってるの?」と少し膨れた。それに笑っていた時、新の携帯がメール着信を報せてくる。

 「三室やわ。……何やろ?」
 メールには「どうしましょうか」と、どうにも内容の見当が付けられない件名が記されていて、訝しみながら新は本文を開いた。
『僕の携帯に、セーラー服着た時の画像があるんですが。綿谷くん達もですか?』
「え? 画像?」
 新は携帯電話の画像ファイルを慌ててチェックする。そこにはやはり化粧を施され女性用の袴を着けた新の写真が一枚あった。確かにクリスマス会で言われたように身長を別にすればボーイッシュな女に見えなくはない。相模のメイキャップ技術についつい嘆息してしまった。
(……ほんでも気色悪いけど。……いや女装なんか完璧にされたかって嫌すぎやけど……)
「ほんで先輩、携帯置いとけって言うたんか……。千早、自分の携帯見てみ」
 溜め息混じりに言われ千早も自分の画像ファイルを開き、「当たりおむすび」の時と同じ妙な声を出して固まった。横から覗くと案の定、メイド服姿の千早が撮られている。

 「どうしましょうか、って……ああ、万が一先輩があれどうした、って聞いてきたら見せなあかんで削除出来んって話か……」
「……確かに『どうしましょう』って話だあ……これマジでどうしよう」
 新はふと思い付いた。
「誰か一人が持ってればどうにかなるな。……千早のそれ、こっち転送して。ほしたらそっちのは削除できるやろ?」
 三室あての返信にも同じ事を書いて送った。程なくして「助かります」とメールが届く。本文に「綿谷くんに貧乏くじ引かせて済みません」とあった。
「ほら千早。三室はちゃんと送ってきたざ?」
「……新、絶対何か違う事考えてるよね」
 妙に積極的な言動に、千早が上目遣いで問うてくる。
「別にいいがし、おれ持ってたかって。貧乏くじ引いたげっさ」
 渋々送信してきたメイド服の画像を見ながら言葉を継いだ。
「おれしか見んし。って言うか他の男に見せる気ない」
 まだ納得しきれていない顔に小さく笑ってから、最初に言った通り鋏を入れ、破いたメイド服をゴミ箱に放り込んだ。








written by Hiiro Makishima